1. リフレーミングとは?
「リフレーミング(Reframing)」とは、
ものごとの“見方”や“受け止め方”の“枠(フレーム)”を変えることをいいます。
たとえば――
- 「頑固な人だ」と思っていた人を、「意志が強く、自分の考えを大切にする人」と見る。
- 「ゆっくりしか動けない自分」を、「丁寧に物事をこなせる自分」と捉え直す。
つまり、マイナスのように感じる出来事や性格も、別の角度から見れば新しい価値が見えてくるという考え方です。
2. なぜリフレーミングが大切なのか
私たちは日々の生活の中で、知らず知らずのうちに「思い込みのメガネ」をかけています。
同じ出来事でも、
- 「うまくいかなかった」と見るか
- 「次に活かせる経験ができた」と見るか
によって、心の状態は大きく変わります。
リフレーミングは、無理にポジティブになることではなく、
「別の側面にも光を当ててみる」心の柔軟性を育てる方法です。
3. 介護や看護の場面でのリフレーミング
◆ 利用者さんとの関わり
- 「わがままな人だな」 → 「自分の生活スタイルを大切にしている人なんだ」
- 「反応が薄い」 → 「相手の言葉をゆっくり受け止めているのかもしれない」
このように“言い換えて見る”ことで、
イライラや行き違いが減り、より穏やかな関係づくりができます。
◆ ご家族への支援
- 「もっと頑張らなきゃ」という家族に → 「それだけ大切に思っている証拠ですね」
- 「もう疲れました」という言葉に → 「それほど一生懸命向き合ってこられたんですね」
言葉を少し変えるだけで、責める気持ちが“支える言葉”に変わります。
◆ 自分自身へのリフレーミング
- 「まだうまくできない」 → 「今は学んでいる途中」
- 「今日も大変だった」 → 「今日もよく乗り越えた」
ケアの仕事は、人の心と深く関わるぶん、ストレスも感じやすいもの。
自分への声かけを変えることが、心の疲れを和らげるセルフケアになります。
4. リフレーミングのコツ
1️⃣ 「これは本当に悪いこと?」と問い直す
→ 物事を“白黒”で判断せず、グレーの部分を見つめてみる。
2️⃣ 「他の言葉で言い換えたらどうなる?」と考える
→ “短気”は“行動が早い”、“神経質”は“丁寧”など、別の言葉に置き換えてみる。
3️⃣ “過去”よりも“これから”を見る
→ 「なぜこうなった?」ではなく、「これからどうすれば良くなるか」に焦点を移す。
4️⃣ “一方で”と別の方向からの見方をしてみる
→「あの人は否定的な意見しか言わない」に対し、「だが一方で、リスク等のデメリットをしっかりと考えている」など、良し悪し両方の視点から物事を観測してみる。
5. まとめ
リフレーミングは、
- 現実を変える魔法ではなく、
- 「見方を変えることで、自分の心を少し軽くする技術」 です。
訪問看護・介護の現場でも、家族の支援でも、
「言葉の選び方」「捉え方」を変えるだけで、関係がやわらかくなる瞬間があります。
「見方を変えることは、相手を変えるよりも早く、自分と世界をやさしく変える方法です。」