1. 心の境界線とは何でしょう
心の境界線(バウンダリー) とは、
「どこまでが自分の気持ちや責任で、どこからが相手のものか」を分ける考え方です。
心理学では、心の境界線があることで以下のようなことが知られています。
- 自分の気持ちを守りやすくなる
- 相手を尊重しやすくなる
境界線は、壁のように相手を遠ざけるものではありません。
2. 介護・看護の場面で境界線があいまいになりやすい理由
介護や看護では、「相手のために」「迷惑をかけたくない」
という思いが強くなりやすく、心の境界線が近づきすぎることがあります。
例えば、
- 相手の気分に振り回されてしまう
- 相手のつらさをすべて自分の責任のように感じる
- 断ることに強い罪悪感を持つ
こうした状態は、誰にでも起こりうる自然な反応 です。
3. 境界線が弱くなると起こりやすいこと
心理学的には、心の境界線があいまいになると、
次のような変化が起こりやすいことが分かっています。
- 疲れやすくなる
- イライラしやすくなる
- 自分の気持ちが分からなくなる
- 「自分が我慢すればいい」と思い続けてしまう
これは、やさしさが足りないからではありません。
4. 心の境界線を守ることは「冷たさ」ではない
境界線を保つことは、相手を突き放すことでも、関係を弱くすることでもありません。
むしろ、無理のない距離を保つことで、関係が安定しやすくなると心理学では考えられています。
- できることは手伝う
- できないことは無理をしない
- 相手の感情と自分の感情を分けて考える
これが境界線を守る関わり方です。
5. 心の境界線を整えるための考え方
✔ ① 「相手の気持ち」と「自分の気持ち」を分ける
相手がつらそうでも、その気持ちすべてを背負う必要はありません。
「相手はつらい」
「でも、私は私の気持ちを守っていい」
この両立が大切です。
✔ ② できること・できないことを整理する
介護や看護には、自分一人では対応できないこともあります。
「ここまでならできる」
「ここから先は助けが必要」
と線を引くことで、負担が軽くなります。
✔ ③ 断ることを悪いことだと思わない
断ることは、関係を壊す行為ではなく、自分を守る行動 です。
無理を続けるより、正直に伝える方が、結果的に関係が長く続きやすくなります。
6. 訪問看護・訪問介護は境界線を支える存在
訪問看護・訪問介護は、家族だけで抱え込みすぎないための支えでもあります。
役割を分け、
- 専門職に任せる
- 家族は家族として関わる
この分担が、心の境界線を保ちやすくします。
「境界線を守ることは、
相手を大切にしながら、自分も守ることです。」
7. まとめ
心の境界線は、介護・看護を続けるための大切な土台です。
- 近づきすぎない
- 離れすぎない
- 無理をしない
このバランスが、関係を穏やかに保ちます。
💬 このコラムは一般的な健康情報として作成しています。
強い疲労感や気分の落ち込み、対人関係のつらさが続く場合は、
医師・看護師・ケアマネジャーなどの専門職へ早めにご相談ください。