1. 夜は「不安が強くなりやすい時間」

高齢の方や病気がある方は、夜になると次のような変化が起こりやすくなります。

  • 昼間よりも不安が強くなる
  • 気持ちが落ちつかない
  • 急に混乱したような言動になる
  • トイレや物音が気になる
  • 眠れずソワソワする

これは珍しいことではなく、“夜の静けさ” と “疲れ” が影響して起こります。

2. 「せん妄」とは?

せん妄 とは、いつもと違う “急な混乱” の状態のことです。

  • 時間や場所がわからなくなる
  • 急に興奮したり、怒りっぽくなる
  • 幻覚(ないものが見える・聞こえる)
  • 反対にぼんやりして反応が悪くなる
  • 眠れなくなる、昼夜逆転する

せん妄は「認知症」とは違い、
体調の変化・環境の変化・薬の影響などで起こる一時的な症状 です。

特に、発熱・脱水・感染症・睡眠不足・痛みなどがあると起こりやすくなります。

3. 夜間の不安やせん妄への“やさしい対応”

✔ ① まずは「安心」を与える

強く否定したり、無理に止めようとすると混乱が強くなります。
落ちついた声で、ゆっくり話しかけます。

例:
「大丈夫ですよ、ここは家です」
「安心してください。一緒にいますよ」

✔ ② 明るさを少し足す

真っ暗だと不安や錯覚が起こりやすいので、

  • 廊下の小さな灯り
  • 足元ライト
  • 寝室の常夜灯
    などが役に立ちます。


✔ ③ トイレに行きやすい環境を

夜間の不安の多くは「トイレ」が関係しています。

  • 通路に物を置かない
  • 転倒しないよう足元灯をつける
  • 寒さが強い場所は暖房器具で調整

これだけでも混乱が減ることがあります。

✔ ④ 昼夜逆転を防ぐ

昼間の過ごし方が夜の不安に影響します。

  • 日中はできるだけ太陽の光を浴びる
  • 少しでも体を動かす
  • 昼寝は短めに(30分以内)

体内時計が整うことで夜間の落ち着きが変わります。

✔ ⑤ 水分と体調をチェック

発熱・脱水・便秘・痛みなど、体の不調が原因でせん妄が起きることが多い為、次のポイントを確認します。

  • 水分が足りているか
  • 食事は取れているか
  • 便秘や痛みがないか
  • 発熱や感染の症状がないか

体調が整うとせん妄が落ち着くことがあります。

✔ ⑥ 危険がないよう見守る

興奮して歩き回ると、転倒やケガにつながる場合があります。
無理に押さえつけず、

  • そばで見守る
  • 危ない物を片づける
  • ベッド周りを安全にする

など、“安全の確保” を重視します。

4. ご家族が一人で抱え込まないために

夜間の対応は、心身の負担が大きくなりやすい時間帯です。
疲れて当然です。

  • 感情的になってしまうのは悪いことではない
  • 休む時間を必ずつくる
  • 訪問看護・介護・デイサービスなど外部サービスを利用する
  • ケアマネや医師に相談して調整する

「一人でがんばりすぎない」ことが非常に大切です。

5. まとめ

夜間の不安やせん妄は、体調と環境の変化で誰にでも起こりうるもの です。

「ゆっくり・安心・安全」を意識した関わりが、
夜を落ち着いて過ごすための大切なポイントです。

💬 このコラムは一般的な健康情報として作成しています。
急に強い混乱がある、転倒のおそれがある、発熱や体調の急変がある場合は、
医師・看護師・ケアマネジャーへ早めにご相談ください。