1. 家族だからこそ「期待しすぎてしまう」
介護の場面では、
「これくらいできるはず」
「前はできたから今日もできるはず」
と、本人に期待を持つことは自然なことです。
しかし、病気や年齢の変化があると、できる日・できない日があるのも当たり前です。
期待が大きいほど、うまくいかなかったときに
- がっかりする
- イライラする
- 悲しくなる
ことが起こりやすくなります。
これは、心理学で知られている
「期待と現実のギャップ」によるストレス です。
2. 本人も“期待に応えられないつらさ”を感じている
できない日があるとき、本人は次のような気持ちを持つことがあります。
- 迷惑をかけている気がする
- できなくて申し訳ない
- 「前はできたのに」と落ちこむ
- どう伝えたらいいかわからない
家族もつらい。本人もつらい。
どちらが悪いわけでもありません。
3. “期待しすぎない”とは「諦める」ことではない
期待しすぎない関わり方は、
本人のペースを尊重しながら、無理のない目標を一緒につくる関わり方です。
心理学では
「現実的な期待(リアリスティック・エクスペクテーション)」
と呼ばれる考えがあり、
これは「できること」と「今は難しいこと」を丁寧に分けるという意味です。
4. 期待を整えるための“やさしいコツ”
✔ ① 「今日の調子」で判断する
病気や疲れは日によって違います。
昨日できたことが、今日はむずかしいこともあります。
その日に合わせて関わることで、心の負担が軽くなります。
✔ ② 「できない部分」ではなく「できている部分」を見る
心理学では、
小さな成功を見つけることが安心感につながりやすい
とされています。
- 立ち上がりがスムーズだった
- 食事量がいつもより少し多かった
- 笑顔が見られた
など、どんな小さなことでも構いません。
✔ ③ 比較しない
「前はもっとできた」
「他の人はできている」
という比較が続くと、本人の意欲が下がりやすいことが知られています。
“今日の本人” を基準にすることが大切です。
✔ ④ 完璧を目指さない
急がず、できる範囲で。
家族が100%を目指すと、本人も家族も疲れてしまいます。
✔ ⑤ 助けを借りることを前提にする
訪問看護・訪問介護・デイサービスなどの支援は、
「手抜き」ではなく“お互いが無理をしないための大切な仕組み” です。
外部サービスを使うことで、期待が過度にふくらむのを防ぐ効果もあります。
5. お互いが楽になる「ちょうどよい期待」とは
- 本人ができることを尊重する
- できない日は無理をさせない
- 手伝う部分は優しく補う
- サービスと連携して負担を分ける
このバランスがとれると、
介護の時間が少し軽くなります。
「期待しすぎないことは、あきらめではなく、
お互いが安心して暮らすための優しい選択です。」
💬 このコラムは一般的な健康情報として作成しています。
介護で強いストレスを感じるときや、気分の落ち込み・不眠が続く場合は、
医師・看護師・ケアマネジャーへ早めにご相談ください。