~訪問看護からのアドバイスと安心サポート~
雨の多い季節がやってきました。梅雨は自然にとって大切な時期ですが、ご高齢の方や持病をお持ちの方、ご自宅で療養されている方にとっては、心身にさまざまな影響をもたらすこともあります。
訪問看護では、季節ごとの変化に合わせて、ご本人の体調管理はもちろん、ご家族の皆さまの不安やお困りごとにも寄り添ってまいります。このコラムでは、梅雨時期に注意したいことや、ご家庭でできる工夫についてお話しします。
1. 梅雨は「体調が崩れやすい季節」です
梅雨時は「なんとなくだるい」「体が重い」「痛みが強くなった」など、はっきりとした原因がわからない体調不良を感じる方が多くなります。
これは、気圧の変化・湿度の上昇・気温の上下が重なることによる自律神経の乱れや、持病の悪化が原因と考えられています。
よく見られる症状
- 関節痛や筋肉のこわばり(リウマチ、脳梗塞後遺症など)
- 呼吸がしづらい、息苦しい(心不全、COPDなど)
- 頭痛やめまい、ふらつき
- 食欲不振や不眠
訪問看護では、こうした兆候を見逃さないように、体温・血圧・呼吸の状態などをしっかり観察し、ご本人の体調や生活環境に合わせたケアを行っています。
2. 心の不調にもご注意を
梅雨の時期は、日照時間が少なくなり、外出もままならない日が続きます。そのため、次のような「心の不調」があらわれることもあります:
- 気分の落ち込みや不安
- イライラしやすくなる
- 会話が減り、閉じこもりがちになる
- 認知症の方は混乱や幻覚が出やすくなることも
ご本人が何も言わなくても、「最近元気がないな」「会話が少なくなったな」と感じたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。私たちは、身体だけでなく「心の変化」にも目を向け、声かけや見守りを大切にしています。
3. ご家庭でできる工夫と注意点
ご家族の皆さまにとっても、梅雨は少し気を使う季節。次のようなことに気をつけていただけると、ご本人の体調安定や事故防止につながります。
● 室内環境を整える
- 湿度は 50~60% を目安に(除湿機・エアコンの活用を)
- カビやダニの繁殖を防ぐため、こまめな換気を心がけましょう
- 寒暖差が出ないよう、服装や寝具で調整を
● 転倒防止対策
- 雨でぬれた靴や床が滑りやすくなります。玄関や浴室マットの確認を
- 濡れた靴下やスリッパでの移動に注意
- 外出の際は、滑りにくい靴を使用し、急がずゆっくりと
● 食事・水分補給を大切に
- 湿気で食欲が落ちがちです。さっぱりしたもの、栄養バランスを意識して
- 脱水は夏だけでなく梅雨にも起こります。こまめな水分摂取を忘れずに
4. 万が一のときのために
「いつもと違う」サインを見逃さず、体調に変化があるときはすぐにご連絡ください。
以下のようなときは、早めのご相談が安心です:
- 眠れない、食べられない日が続いている
- 咳や息苦しさが悪化している
- 不安や混乱が強まっている
- ご家族が介護に疲れていると感じたとき
私たちは、病院に行かずともご自宅で対応できることがないか、医師と連携しながら判断・対応いたします。
5. 最後に ~訪問看護は、皆さまの「安心」のために~
梅雨は「過ごしづらい」と感じやすい季節ですが、ほんの少しの工夫と支え合いで、乗り越えられる時期でもあります。
訪問看護は、ご本人だけでなく、ご家族の心の支えでもありたいと考えています。
不安なとき、困ったとき、気になることがあるとき…どうぞ遠慮なく私たちにお話しください。
これからも、安心してご自宅で過ごしていただけるよう、私たちは寄り添い続けます。