近年、若者の間で「生きづらさ」や「心の疲れ」を訴える声が増えています。               その背景には、目に見えにくい形で広がるハラスメントとストレスの問題があります。                         ハラスメントというと職場の問題と思われがちですが、実際には学校、家庭、アルバイト先、SNSなど、若者が日常的に身を置く場にも多く潜んでいます。

                                                              

小さな言葉が、大きな傷になる

たとえば、先生や先輩からの何気ない一言。                             「そんなこともできないの?」「使えないね」「もういいよ」                                    こうした言葉が繰り返されることで、本人の自尊心が削られ、深いストレスとなります。

また、現代の若者はSNSを通じて常に人間関係にさらされており、匿名性の高い場では誹謗中傷も後を絶ちません。そうした環境が、心に大きな負荷をかけているのです。

                                                         

ストレスは見えない「心のケガ」

強いストレスを受け続けると、集中力の低下、睡眠障害、食欲不振、頭痛など、心だけでなく身体にも不調が現れます。

とくに思春期や青年期は、「まだ自分を守る力が十分に育っていない時期」です。無理を重ねるうちに、うつ病や不登校、自傷行為に至ってしまうケースも少なくありません。

                                                           

必要なのは、「気づくこと」「話すこと」

ハラスメントの被害を受けたとき、若者は「自分が悪いのでは」と感じてしまい、誰にも言えずに抱え込んでしまいがちです。

まずは身近な大人が、「様子の変化」に気づくこと、そして「つらかったね」と寄り添うことが大切です。また、相談窓口やカウンセリングなど、安心して話せる場があることも、心の支えになります。

                                                               

最後に

心の不調は「甘え」ではありません。ストレスに対して正しく向き合い、早めに支援につなげることが回復と成長への第一歩になります。そしてそれは大人に対しても例外ではありません。

皆が安心して学び、働き、生きていける社会のために、私たち一人ひとりが「見えにくい痛み」に目を向けていくことが求められています。