「病院には通いにくいけれど、自宅での医療的なケアが必要…」そんなときに心強いのが「訪問看護」です。医師の指示のもと、看護師がご自宅に訪問し、医療処置や健康管理を行います。今回は、訪問看護を利用する前に知っておきたい大切なポイントを5つにまとめました。

1. 訪問看護は「医療サービス」です

訪問介護とよく混同されますが、訪問看護は看護師や理学療法士などが医療的ケアを行うサービスです。たとえば、点滴・褥瘡(床ずれ)処置・カテーテル管理・服薬管理など。終末期の緩和ケアや、認知症の対応、在宅リハビリも対象です。

2. 医師の「指示書」が必要です

訪問看護を受けるには、かかりつけ医(または主治医)の「訪問看護指示書」が必須です。利用を希望する場合は、まず主治医に相談しましょう。指示書が出されたら、訪問看護ステーションと契約してサービス開始となります。

3. 介護保険・医療保険どちらでも利用可能

訪問看護は、介護保険か医療保険か、状況によってどちらからも利用できます。高齢者で要介護認定を受けている場合は介護保険が基本ですが、病状が急変したり特別な医療処置が必要な場合は医療保険に切り替わることもあります。

4. 看護師が来るのはどんな時?頻度は?

訪問看護の頻度は、病状や生活状況に応じて週1~3回程度が一般的です。緊急時対応が可能なステーションもあり、24時間体制で看護師に連絡が取れる場合もあります。必要に応じて夜間・休日に来てもらえるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。

5. 利用前に「不安」や「希望」をしっかり伝えましょう

「本当に看護師が来てくれるの?」「どこまでやってくれるの?」といった不安はよくあるもの。契約前の説明や初回訪問の際に、遠慮せずに質問や希望を伝えましょう。信頼関係を築くことが、安心した在宅療養生活につながります。

訪問看護は、通院が難しい方やご家族にとって、自宅で安心して療養できる仕組みを支えてくれるサービスです。制度を理解し、信頼できる看護ステーションとつながることが、安心・安全な在宅医療の第一歩となります。