蒸し暑い夏の夜。窓を開けてもぬるい風が肌を撫で、エアコンをつけてもどこか不快感が残る。そんな夜に、なかなか寝つけずに時計の針ばかりを追ってしまう経験はありませんか?
眠れない夜が続くと、翌日の疲れが取れず、心身にじわじわとダメージがたまっていきます。でも、ほんの少し工夫をするだけで、夏の夜をぐっと快適に過ごせるようになるのです。
■ 涼を「つくる」環境づくり
寝苦しさの原因は、室温と湿度。エアコンは便利ですが、つけっぱなしだと冷えすぎたり、乾燥で喉を痛めたりすることも。おすすめは、「エアコン×タイマー+扇風機」の組み合わせ。扇風機を壁や天井に向けて空気を循環させることで、自然な涼感が得られます。
さらに、氷まくらや冷感ジェルシートを首元に添えるのも効果的。体の熱を逃がしやすい部位を冷やすと、全体的に体感温度が下がり、眠りに入りやすくなります。
■ 寝具を「着替える」だけでも快適に
夏こそ、寝具にこだわりたい季節。通気性の悪いシーツやパジャマは、それだけで熱がこもりやすくなります。麻や綿、接触冷感素材など、通気性と放熱性に優れた素材を選んでみましょう。
さらに、保冷剤をタオルで包んで枕の下や背中に忍ばせると、ひんやり感が持続します。ちょっとした工夫ですが、体感温度が1〜2℃下がるだけでも、眠りの質は大きく変わるものです。
■ 心を「静める」時間を持つ
眠れない夜は、ついスマートフォンに手が伸びがち。でも、ブルーライトは脳を覚醒させ、さらに寝つきを悪くしてしまいます。寝る30分前には画面をオフにし、ぬるめのシャワーを浴びたり、ハーブティーや白湯をゆっくり飲んだりして、心と体をほぐしてみましょう。
照明を少し落として、やさしい音楽や自然音を流すのもおすすめです。ストレッチや深呼吸で副交感神経を優位にすれば、身体は自然と眠りの準備を始めます。
■ 最後に──「無理に寝ようとしない」ことも大切
それでも眠れないときは、「眠らなきゃ」と焦らないことも大切です。無理に目を閉じるより、短編のエッセイを読む、静かに日記をつけるなどして、眠気が訪れるのを待ってみてください。眠りは、追えば逃げるけれど、待っていれば自然とやってくるものです。
夏の夜に振り回されることなく、自分らしい「涼」と「眠り」のかたちを見つけて、穏やかな夜を過ごせますように。