1. 「介護」は施設の中だけじゃない

介護というと、「老人ホーム」や「施設でお世話してもらうもの」と思う方が多いかもしれません。
でも実は、介護は自宅でも受けられるサービスです。

その代表が「訪問介護」。
介護の資格を持つスタッフ（ホームヘルパー）が、あなたの家に訪問し、
日常生活の“できないところ”をお手伝いするサービスです。

2. どんな人が利用できるの？

訪問介護は、介護保険を利用して受けられる在宅サービスです。

  • 一人暮らしで、家事や買い物が大変になってきた
  • 足腰が弱って、掃除や入浴が難しくなってきた
  • 家族が仕事で日中見守れない
  • 病気や障がいがあっても、自宅で生活を続けたい

そんな方々の「自分の家で暮らしたい」という思いを支えます。

3. 訪問介護員（ホームヘルパー）って？

訪問介護を行うのは、介護福祉士やホームヘルパーの資格を持つ専門職です。
利用者の体調や生活リズムに合わせて、やさしく寄り添いながら支援します。

4. どんなことをしてくれるの？

訪問介護の支援は、大きく2つに分かれます。

① 生活援助（せいかつえんじょ）

暮らしを支えるお手伝いです。

  • 掃除・洗濯・料理・買い物
  • ゴミ出しや整理整頓
  • 薬を飲み忘れないように声かけ

→ 一人での生活が少しでも楽になるようにサポートします。

② 身体介護（しんたいかいご）

体に直接ふれるケアです。

  • 食事や排泄の介助
  • 入浴や清拭、着替えの手伝い
  • ベッド上での体位変換、移動の介助
  • 服薬の見守り

→ 安全と清潔、安心を守るための支援です。

5. 病院や訪問看護とのちがい

訪問介護訪問看護
目的生活の支援・介助医療的なケア・体調管理
行う人介護職（ヘルパー）看護師
内容食事・排泄・入浴・家事などバイタル測定・服薬管理・傷の処置など
特徴生活全体を支える医療を中心に支える

両者は対立ではなく、“協力して支える関係”。
たとえば――
訪問介護が「生活の支え手」で、訪問看護が「健康の守り手」。
一緒に関わることで、その人の暮らしをトータルに支えています。

6. 家族にも寄り添うサポート

介護をするご家族にとっても、訪問介護は大切な支えになります。

  • 介助の方法を教えてもらえる
  • 自分が外出中でも、安心して任せられる
  • 少しの休息時間が取れる

ご本人だけでなく、家族の“心の余裕”を取り戻す時間にもつながります。

7. 訪問介護は「自分らしく生きる」ための仕組み

「自分の家で、できるだけ長く、自分らしく暮らしたい」
そんな願いを叶えるのが訪問介護の目的です。

できなくなったことを代わりに行うだけではなく、

「もう一度できるようになること」
「今の生活を少しでも心地よく続けること」

――その両方を大切にしています。

8. 最後に

訪問介護は“お世話”ではなく“一緒に暮らしを作っていく支援”です。
ヘルパーはただの介助者ではなく、その人の「日常のパートナー」。

「介護とは、“その人らしい生活”を守ること。
家の中にも、温かい支援の手は届きます。」