訪問介護は、利用者さんの「家」という最も安心したい場所に入り込む仕事。そのため、介護技術や知識だけでなく「どんなこころで向き合うか」がとても大きな意味を持ちます。

訪問介護における《こころの在り方》

1. 「支える」のではなく「共に生きる」という姿勢

  • 利用者の生活に「入り込む」存在であるからこそ、上からでも下からでもない、「横に並ぶ」感覚を持つこと。
  • 「してあげる」ではなく、「一緒にやっていく」関係を目指す。

2. その人の「人生」への敬意

  • 利用者さんは今、支援を必要としているかもしれませんが、それまでに歩んできた人生にはたくさんの努力や誇りがあります。
  • 介護は「その人の人生を尊重する」営みでもあります。

3. 安心・信頼を生む“心のあたたかさ”

  • 介護の場面では、利用者が不安や孤独、無力感を抱えることも多いです。
  • 言葉・表情・しぐさ、すべてが「私はあなたを大切に思っています」と伝える手段になります。

4. 自分自身の「心の余白」も大事にする

  • 介護者も人間。忙しさやストレスの中で、心に余裕がなくなってしまうこともある。
  • そんなときは「無理をしない」「助けを求める」ことも、利用者に対する誠実さの一つ。

5. “当たり前の生活”を一緒に守るというまなざし

  • 訪問介護は、掃除、食事、排泄といった日常を支える仕事。
  • それは決して「雑務」ではなく、「生きる」ことそのものを支える、かけがえのない役割。

まとめ:こころの在り方は「誠実さ」と「優しさ」

訪問介護においては、「心の距離感」「その人らしさの尊重」「丁寧に接する姿勢」がとても大切です。そして何より、“人と人”として向き合う真摯な気持ちが、一番伝わるものだと思います。